トルコはシリアやリビアでのムスリム同胞団の活動を禁止などを求めるエジプトの要請に応じる意思を示す(2021年4月11日)

サウジアラビアのアラビーヤ・チャンネル(4月11日付)は、複数の情報筋の話として、トルコがエジプトとの関係修復に向けた行程表を遵守し、エジプトが求める条件を履行する意思を示す複数の電報を送ったと伝えた。

エジプト側が求めている条件の履行には5ヶ月をかけ、毎月のその履行状況の検証が行われるという。

トルコ側が送った電報の主な内容は以下の通り:

  • トルコは、エジプトの主権を尊重し、主権尊重の原則のもと、エジプトおよびアラブ諸国との関係を構築する。
  • トルコは、エジプト側の条件を延滞なく履行する。
  • リビアに派遣したシリア人戦闘員(シリア国民軍戦闘員)に関して、4月末までにトルコはリビアに安全保障関連の使節団を派遣し、その期間を監督する。戦闘員の期間は2段階に分けて行われ、5月までに武装解除、6月に撤退を行う。
  • トルコは、領内でのムスリム同胞団に所属する慈善団体の活動と、同胞団幹部の政治活動を停止させる。エジプトは、シリアから帰国したエジプト人を逮捕し、尋問する。トルコは、エジプトと連絡をエジプトの過激派グループのハスム運動幹部のヤフヤー・ムーサー氏とアラー・サマーヒー氏を拘束し、その処遇についてエジプト側と協議する。トルコとエジプトは、リビアとシリアでの同胞団に対する寄付を禁止し、同胞団経由での資金の流れを止める。

AFP, April 11, 2021、ANHA, April 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 11, 2021、Reuters, April 11, 2021、SANA, April 11, 2021、SOHR, April 11, 2021などをもとに作成。

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