イドリブ県で「ジハード主義グループ」の砲弾製造倉庫で爆発が発生し、戦闘員2人と女性1人死亡、6人負傷する一方、バイルーン村にあるトルコ軍の拠点に、何者かがRPG弾を打ち込む(2021年5月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるフーア市北のフルースィーヤ国内避難民(IDPs)キャンプ近くになる「ジハード主義グループ」の砲弾製造倉庫で爆発が発生し、戦闘員2人と女性1人が死亡、6人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイルーン村にあるトルコ軍の拠点に、何者かがRPG弾を打ち込んだ。

このほか、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村およびその一帯、バーラ村およびその一帯、フライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織で国民解放戦線に所属するシャーム自由人イスラーム運動のメンバーが乗った車が、トゥッファーヒーヤ村北でシリア軍のミサイル攻撃を受け、2人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるジャースィム市でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団戦闘員が、自宅で正体不明の武装集団の襲撃を受け、死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるクルキス村で空軍情報部の士官(准将)が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県14件、ラタキア県12件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は32件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を23件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 3, 2021、ANHA, May 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 3, 2021、Reuters, May 3, 2021、SANA, May 3, 2021、SOHR, May 3, 2021などをもとに作成。

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