ラタキア県フマイミーム航空基地に設置されているロシア当事者和解調整センターのアレクサンドル・カルポフ(Alexander Karpov)副センター長(海軍少将)は声明を出し、ロシア軍憲兵隊がハサカ県内のM4高速道路を「撤退協定」に違反して走行していた米軍の車列を停止させ、引き返させたと発表した。
米軍の車列は6輌の輸送防護車MRAPからなり、「撤退協定」が定めるロシア軍との連携を行わずに移動していたという。
シリア人権監視団によると、ロシア軍と米軍が対峙したのはタッル・タムル町近郊で、ロシア側の発表とは異なり、米軍の車列は引き返すことなく移動を続けたという。
**
ハサカ県では、SANA(5月13日付)によると、米主導の有志連合の車輌55輌からなる車列が、兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県ルマイラーン町方面に向かった。
一方、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市南のザンダー村で国防隊のメンバーどうしが撃ち合いとなり、2人が死亡、複数が負傷した。
AFP, May 13, 2021、ANHA, May 13, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2021、Reuters, May 13, 2021、SANA, May 13, 2021、SOHR, May 13, 2021、May 14, 2021などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.