アサド大統領は、アスマー・アフラス夫人とともに、ダマスカス郊外県ドゥーマー市の市議会に設置された投票所を訪れて、投票を行った。
投票を済ませた大統領は、記者団に対して次のように述べた。
私は今日、妻とドゥーマー市を訪れ、寛大なる住民のみなさんと会い、この大規模な国民投票にあなた方と参加できて嬉しく思っている。なぜなら、この訪問は(この地が)解放されて以降初めてだからだ。だから、我々はこの町の住民にテロから解放されたこと、祖国の庇護のもとに復帰したこと、解放されたそれ以外の地域の同胞、さらには祖国の民と共に、たとえ少しずつ出会っても正常な生活を取り戻していること、先の人民議会選挙であれ、今回の大統領選挙であれ全国規模投票に参加していることを祝福したい。
私は今日、妻とドゥーマー市を訪れ、寛大なる住民のみなさんと会い、この大規模な国民投票にあなた方と参加できて嬉しく思っている。なぜなら、この訪問は(この地が)解放されて以降初めてだからだ。だから、我々はこの町の住民にテロから解放されたこと、祖国の庇護のもとに復帰したこと、解放されたそれ以外の地域の同胞、さらには祖国の民と共に、たとえ少しずつ出会っても正常な生活を取り戻していること、先の人民議会選挙であれ、今回の大統領選挙であれ全国規模投票に参加していることを祝福したい。
この町には、グータの首都、グータの花嫁といった多くの名前がある。テロリストは占領中にそのイメージを歪め、名声を貶め、テロと結びつけようとした。流血、不正、反逆、そして幾ばくかの糧を与えることで。だが実際のところ、こうした時も、ドゥーマー市内外にいるほとんどの住民は、グータ地方のほかの地域、さらにはテロリストの占領下にあったそれ以外の地域と同じく、何らかのかたちで国家機関との結びつきを保ち、国家が戻ってくること、シリア・アラブ軍の解放、法が戻ってきて適用され、安定が戻ってくること、つまりは法の支配を望み、促してきた。
この町の一部の住民は、こうした結びつきを保ってきた、あるいはその意思を示したというだけで犠牲を強いられた。ドゥーマー、そしてグータ地方の住民のなかには、この町、農園、農場のなかでシリア・アラブ軍とともに戦い、殉教者となった者もいる。正式に軍に加入した者、予備部隊として戦った者もいる。選挙期間中にこの町、この地域、村々、農園、農場での大規模な民衆の取り組みを目にしたから、こうした事実を述べているのではない。こうした動きは自発的なものだった。偽りではなく、真実の愛国的ありようを明白に表していた。
この場所への今日の訪問、ドゥーマー市での投票には多くの側面がある。シリアは、地域どうし、都市どうし、宗派どうしの対立、内戦、シリア人どうしの紛争など、かつて連中が吹聴しようとしていたシリアではない。真実は違う。我々は今日、ドゥーマー市から、シリア国民がテロ、不正、反逆に対して一丸となっている国民であることを示している。
二つ目の点は、この国民的な一時がまた、解放とこの町をはじめとする解放された地域での今日の国民投票が、ドゥーマー市の土地と住民を守るために命を落とした数千という殉教者、そしてシリアのそれ以外の地で命を落とした数万の人々なくしてはなし得なかったということを皆で思い出す機会でもあるということである。
さらに最後の側面についても明らかにしておきたい。それは、この国民投票、そして今日我々が目にしている国民規模の反応によって、シリアの市民が自由で、シリアの市民の決定権が誰以外でもないその手の中にあるということを確認できるということだ。最近我々が耳にしている西側諸国――そのほとんどが植民地主義の歴史を持っている――の発言は、選挙戦が始まる前から始まり、数日前、あるいは数時間前まで繰り返されてきた。それはこの選挙を解釈、評価し、正統性のあるなしを決めつけようとしている。もちろん、我々は国家として、こうした発言に関心はない。国家が発言したり、沈黙したりすることより重要なのは、国民が何を言うかだからだ。
我々が過去数週間にわたって目にしたこの動きは、こうした連中への充分且つ明白なリアクションだったと思う。それは「あなた方の意見はゼロ、あなた方の価値はゼロの10倍だ」ということを彼らに示している。
この訪問を利用して、ドゥーマー市の住民であるあなた方を通じて、自らの町や村を離れた全ての人に、戻るようメッセージを送りたい。我々は彼らに忠告しなければならない。彼らをだまし、資金を渡してきた連中に耳を貸さないようにと。彼らは自分たちが、操られてきた連中によって利用されてきたということを知らねばならない。その背後には、地域や世界の大国がいて、自分の国に背かせようとしている。彼らに言わねばならない。人が祖国で家族とともにあり、自分の町、村の自分の土地で、その住民とともに、建設に貢献するという名誉に勝る名誉はないと。人が自分の国、家族から切り離されて外国に身を置き、何もできず、何かを建設したり、何かの命のために貢献できないという屈辱に勝る屈辱はないと。
ドゥーマー市のすべての住民、グータ地方のすべての住民、解放された地域のすべての住民に挨拶したい。我々は共に行動し、町を、村を、そして国を必ず建設する。我々は自分たちの農地に輝きと香りを取り戻す。シリアという祖国の内外にいるシリア・アラブ人民に挨拶したい。なぜなら、その大小にかかわらず、あらゆる成果を保証する唯一の存在だからだ。犠牲を払い、不屈の精神で持ちこたえ、実りを得た者だからだ。あなた方に感謝する。
AFP, May 26, 2021、ANHA, May 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2021、Reuters, May 26, 2021、SANA, May 26, 2021、SOHR, May 26, 2021などをもとに作成。
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