マフムード・アフマド・マルイー候補はダマスカス県ジャウダト・ハーシミー学校に設置された投票所で投票を行った。
投票後、マルイー氏は記者団に対して、以下の通り述べた。
私は国内外の愛国的な反体制派の候補者だ。私の立候補は、反体制派の候補者が投票箱に向かい、自らに投票し、自らの意見を表明したことで、シリアにおいて初めての突破口となった。
投票所に向かい、より良い(選挙)綱領を選択肢、シリアを指導するためにもっとも高い能力を持った人を選ぶようすべてのシリア人に言いたい。
我々は、忠誠(バイア)や行進を行うための選挙ではなく、民主的で、多元的で、互いに意見を述べることができるシリアを望んでいる。我々は多元的な選挙を望んでいる。なぜなら、シリア憲法には、シリアを多元的国家と規定するような修正や発展が必要だからだ。シリアは一つの戦線にしか属さない政党であるべきではない。政治的多元主義に基づくシリアには活性化と発展が必要になっている。我々は選挙戦に臨んだ。綱領のなかで、我々は参加型の挙国一致内閣、国民対話のための国民大会を望んでおり、危機から脱し、イスラエルと米国の占領から領土を解放すると言っている。我々は今も対話を重視している。シリア人どうしの対話、難民の帰還、逮捕者釈放、三権分立、時代に合った憲法、これらすべてを選挙綱領のなかで述べている。
選挙戦とそれに伴う宣伝やポスター。これらすべては問題なく行われた。だが、我々は行進や忠誠が行われる状態に戻りたくはない。我々は多元的で、互いに意見を述べることができ、市民が望む者を選ぶ選挙を望んでいる。市民が選び、意見を表明し、恐怖を抱かない状態になれねばならない。怖れることはない。私は、自らの選挙綱領で、シリアの市民がその意見を理由に逮捕されることを許さないと述べた。それはジャーナリストや法律家だけではなく、いかなる市民が自らの意見を述べても逮捕されないようにしなければならない。
逮捕される者は、法律によって裁かれるべき罪を犯した者だけだ。だから、私は司法の独立、法の執行、通常法廷を支持し、例外法廷、例外的法律に反対する。三権分立を支持し、国内外の愛国的反体制派が偽りの参加でなく、真の参加を実現することを支持する。これまでのところ、そうした参加は実現していない。我々は参加を望んでいる。これまでのところ、政治生活の活性化を必要とする多くの問題がある。我々は壁に穴を開けた。我々は平和的で漸進的な民主的変革に至ることを望んでいる。
我々は暴力を望んでいない。我々は社会的平和、権力と愛国的反体制派が協力し、シリアを建設することを望んでいる。また、シリアには、復興、人間そして崩れた石を立て直す必要がある。すべての国民の努力を倍増させる必要がある。いかなる政治的意見を持とうがすべての国民の努力が必要だ。
いかなる結果が出ようと、投票結果、そしてシリア国民の意思を受け入れる。選挙で勝利しようがしまいが、自らの選挙綱領を実施し続ける。選挙綱領のなかでもっとも重要なのは、シリア人どうしの国民大会をダマスカスで開催することだ。なぜなら、解決策は、ュネーブではなく、ダマスカスのシリア人の手のなかにあるからだ。我々は、汚れていない国外の愛国的反体制派を帰国させ、この大会に出席させ、シリアをこの危機から抜け出させるための出口にたどり着きたい。
シリアにおいて反体制派が存在することになれねばならない。それが健全な状態だ。我々のスローガンは「シリアのため、シリア建設のため、政治的多元主義のための法の支配のため皆ともに」だ。我々は民主主義、多元主義、互いに意見を述べ合うことができる状態を確立したい。国外にいる多くの人々が、シリアの大統領選挙は、不健全で、捏造だれ、閉ざされていると言う。しかし、こうした言葉は正しくない。シリア人は、国内外で自らの見解を表明している。
我々は民主主義の適用から始めた。シリアの民主主義は生まれたばかりで新しい。選挙に初めて反体制派の候補者が立候補したからだ。しかし、このことをしっかりと捉え、奨励し、支持したい。だが、我々はさらに発展、改善し、より良い状態に至ろうとしなければならない。シリアは今、経済戦争に直面している。軍事的な戦争も終わっていない。トルコ、米国による占領地が残っているからだ。これらを解放しなければならない。なぜなら、トルコ、米国、そしてイスラエルの占領を通じて基本物資が略奪されているからだ。
我々は領土を解放し、我々に対する経済戦争に立ち向かいたい。占領国トルコとともに、我々の穀物、綿を盗み、占領地での選挙を阻止し、シリア民主軍に通行所を閉鎖させ、市民が民主的権利を行使するのを阻止している米国に対して一丸とならねばならない。
民主主義の老舗と思われていたドイツは、シリアの市民が選挙で権利を行使するのを阻止した。トルコもだ。こうした行為は民主主義に反する.我々は、ドイツ、トルコ、カーミシュリー市、ハサカ市、レバノン、ヨルダン、そしてそのほか世界のすべての国のシリア人に、投票箱を通じて自らの意見を表明することを呼びかけねばならない。我々はいかなる選挙結果も受け入れる。
AFP, May 26, 2021、ANHA, May 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2021、Reuters, May 26, 2021、SANA, May 26, 2021、SOHR, May 26, 2021などをもとに作成。
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