シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方を砲撃し、子供3人死傷、反体制派も反撃(2021年6月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、イフスィム村、マシューン村、イブリーン村、バイルーン村、カンスフラ村、ファッティーラ村、フライフィル村、バイニーン村、スフーフン村を砲撃、イブリーン村では子供1人が死亡、子供2人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、SANA(6月8日付)によると、「テロ・グループ」がシリア政府支配下のジャウバース村とダーディーフ村一帯にロケット弾多数を打ち込み、農地が被害を受けた。

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ヒムス県では、SANA(6月8日付)によると、ヒムス市のカラム・ルーズ地区に仕掛けられていた「テロ爆弾」が爆発し、住民8人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサナマイン市でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団司令官が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

また、ムザイリーブ町とヤードゥーダ村を結ぶ街道で、何者かによって殺害されたと思われる元反体制武装集団メンバーが遺体で発見された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を45件(イドリブ県23件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県9件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は36件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を19件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 8, 2021、ANHA, June 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 8, 2021、Reuters, June 8, 2021、SANA, June 8, 2021、SOHR, June 8, 2021などをもとに作成。

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