イスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯し、シリア領内に向けてミサイル攻撃(2021年6月8日)

SANA(6月8日付)は、6月8日午後11時36分にイスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯し、シリア中南部に向けてミサイル攻撃を行ったが、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、ほとんどのミサイルを撃破、被害が物的被害に限定されたと伝えた。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県のダマスカス国際空港一帯、ドゥマイル市近郊の防空大隊基地、ヒムス県南西部、ハマー県、ラタキア県で爆音が複数回にわたって聞こえた。

同監視団は9日、攻撃が、ヒムス県ヒルバト・ティーン・ヌール町にある科学研究センターや同地周辺の軍事拠点複数カ所、ヒムス市南部にあるレバノンのヒズブッラーの武器弾薬庫が標的となり、シリア軍および国防隊の兵士11人(うち准将1人)が死亡したと発表した。

一方、アラビーヤ・チャンネル(6月9日付)は、首都ダマスカス近郊にあるヒズブッラーの武器弾薬庫複数カ所が狙われたとしたうえで、外国人7人を含む10人が死亡したと伝えた。

AFP, June 8, 2021、Alarabia, June 9, 2021、ANHA, June 8, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2021、Reuters, June 8, 2021、SANA, June 8, 2021、SOHR, June 8, 2021、June 9, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.