シリア軍のイドリブ県とアレッポ県に対する砲撃でシャーム解放機構と国民解放戦線の戦闘員を含む9人死亡、トルコ軍がシリア政府支配地を砲撃(2021年6月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のイフスィム村、バーラ村、マシューン村、バイニーン村、フライフィル村、ファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、マウザラ村、カフル・ウワイド村などを砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

この砲撃で、イフスィム村にある「決戦」作戦司令室の分隊拠点が被弾し、シャーム解放機構のメンバー1人、シリア国民戦線の戦闘員3人(うち司令官1人)、警察官(いわゆる自由警察、1人)、民間人2人が死亡した。

また、バーラ村では、女性2人が死亡した。

シリア軍は撃った砲弾は200発以上に達した。

これに対して、「決戦」作戦司令室もシリア政府支配地域に対して砲撃、トルコ軍もカフルナブル市一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフルタアール村一帯を砲撃し、ウマル・ブン・ハッターブ旅団の戦闘員1人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はミーズナーズ村、カフル・ハラブ村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県16件、ラタキア県11件、アレッポ県2件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を20件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 21, 2021、ANHA, June 21, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 21, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 21, 2021、Reuters, June 21, 2021、SANA, June 21, 2021、SOHR, June 21, 2021などをもとに作成。

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