新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードがラタキア県カルダーハ市を狙ってロケット弾を発射(2021年6月27日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードがシリア政府の支配下にあるカルダーハ市近郊のブアキールーン村を砲撃した。

アンサール・タウヒードはSNSを通じて声明を出し、「ロケット砲大隊は、解放区が標的となったことへの報復として、カルダーハ市の体制の拠点複数カ所をグラード・ロケット弾で狙った」と発表した。

一方、シリア政府を指示するカルダーハ・アリーン・ウスード新聞(フェイスブック・アカウント)によると、砲弾4発がカルダーハ市近郊の農地に着弾したが、死傷者はなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村を砲撃し、戦闘員1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、フライフィル村、バイニーン村、バーラ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安当局が2018年に県内各所で刑事犯罪を犯したとして逮捕していた38人を釈放した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ガディール・ブスターン村の村長(ムフタール)が正体不明の武装集団に銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県15件、ラタキア県9件、アレッポ県4件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を18件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 27, 2021、ANHA, June 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 27, 2021、Reuters, June 27, 2021、SANA, June 27, 2021、SOHR, June 27, 2021などをもとに作成。

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