「決戦」作戦司令室がイドリブ県でシリア軍の半装軌車を地対地ミサイルで撃破(2021年7月14日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるシャフシャブー山のカウカバ村近郊で、シリア軍の半装軌車を地対地ミサイルで攻撃、これを撃破した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のルワイハ村を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村、フマイマート村を砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市のマンシヤ地区で軍事治安局傘下の民兵の拠点を狙って仕掛けられた爆弾が爆発し、3人が負傷した。

これを受けて、この民兵がダルアー市内で発砲、住民1人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県17件、ラタキア県17件、アレッポ県4件、ハマー県6件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 14, 2021、ANHA, July 14, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 14, 2021、Reuters, July 14, 2021、SANA, July 14, 2021、SOHR, July 14, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.