武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバー側は、アサド大統領、シリア軍、シリア国旗を承認することを求めるシリア政府側の条件を拒否、ダルアー県で再び戦闘激化(2021年8月29日)

ダルアー県では、HFL(8月29日付)によると、シリア政府は、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーを代表する中央委員会に対し、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団に所属する第8旅団の司令官を通じて、事態収拾に向けた新たな条件を通告した。

新たな条件とは、以下3点を声明として発表するというもの。

  1. アサド大統領をシリアの正統な大統領として承認する。
  2. シリア軍をシリアの治安に責任を負う組織として承認する。
  3. シリア国旗を承認する。

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これに対して、中央委員会は条件を拒否し、声明を出し、ハウラーン地方全域に非常警報を発出した。

中央委員会はまた、「体制が非妥協的で、ロシアの提案に応じず、厳しい条件を課そうとし続け、停戦を尊重せず、第4師団の民兵を進軍させ、ダルアー市に多方向から突入を試みたため、交渉は崩壊した」と発表、シリア政府が平和的解決を拒否し、「イラン人司令官やヒズブッラー、ファーティミーユーン旅団、ザイナビーユーン旅団といった外国人周波主義民兵が指揮する戦争へとこの地域を陥れようとしている」と非難した。

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中央委員会側の条件拒否を受けて、県内各所ではシリア軍と元反体制武装集団メンバーの戦闘が再び激化した。

シリア人権監視団によると、シリア軍は、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーが立て籠もりを続けるダルアー市ダルアー・バラド地区を砲撃し、男性2人が死亡し、8人が負傷した。

シリア軍はまた、ジッリーン村を砲撃し、女性1人が死亡した。

シリア軍はこのほかにも、タッル・シハーブ町、タファス市一帯を砲撃した。

これに対して、地元の武装集団は、サナマイン市、タファス一帯、ダルアー市ダルアー・バラド地区でシリア軍の検問所を襲撃し、兵士5人を殺害した。

一方、SANA(8月29日付)によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区で立て籠もりを続ける「テロ・グループ」が撃った迫撃砲弾1発がダルアー市入口のバス発着所に着弾し、住民1人が死亡、2人が負傷した。

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このほか、タファス市では、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバー1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

AFP, August 29, 2021、ANHA, August 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 29, 2021、Reuters, August 29, 2021、SANA, August 29, 2021、SOHR, August 29, 2021、August 30, 2021などをもとに作成。

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