難民帰還に向けたシリア・ロシア閣僚調整委員会合同会合が首都ダマスカスで開幕(2021年11月16日)

難民帰還に向けたシリア・ロシア閣僚調整委員会合同会合が首都ダマスカスのコンベンション・センター(ウマウィーイーン宮殿)で開幕した。

難民帰還に向けた国際会議が開催されるのは、2020年11月の「難民帰還に関する国際会議」以来2度目。

**

シリア側からは、フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、ラーニヤ・ハーッジ・アリー外務在外居住者省国際機関局長、アフマド・ドゥマイリーヤ保健省次官、ロシア側からは、アレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使、ロシア合同連携センター(国外難民と国内避難民の帰還を支援するためのロシア国防省と外務省の合同調整センター)のミハイル・ミズィンツェフ議長(上級大将)、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使が出席、ウムラーン・リダー国連常駐調整官、シヴァンカ・ダナパラ国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)シリア代表、国際赤十字国際委員会をはじめとする人道機関の代表も参加した。


**

マフルーフ地方行政環境大臣は開会の辞で、市民のニーズに対応し、避難民の帰還を奨励するために体系的に取り組みたいと述べた。

一方、ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使は、ロシアとシリアによる合同の取り組みによって、数十万の国内避難民(IDPs)、難民の帰還が実現したとしたうえで、帰還にふさわしい安定した状況を確保することが最優先事項だと述べた。

**

開会式は、フサイン地方行政環境大臣がラキナ・オルガ・ユリエヴナ・ロシア大統領府副局長と人道支援にかかる基本合意書(MoU)に調印して閉会した。

**

合同会合と並行して、ムハンマド・ハッサーン・カトナー農業・農業改革大臣が、ロシア農学アカデミー国立科学センター使節団と会談し、農学研究分野や漁業資源開発などでの協力の方途について意見を交わした。

また、アフマド・ダワー情報大臣補がロシア情報省のエカテリーナ・ラリナ国外情報局長と会談し、両省の協力強化や経験共有の方途について意見を交わした。

さらに、文化省は、ロシアの学術関係者からなる使節団と会談し、遺跡の保護、保存、修復といった分野での協力関係強化の方途について意見を交わした。

**

SANA(11月16日付)が伝えた。

AFP, November 16, 2021、ANHA, November 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 16, 2021、Reuters, November 16, 2021、SANA, November 16, 2021、SOHR, November 16, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.