ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月20日に難民322人が新たに帰国したと発表した。
このうちレバノンから帰国したのは難民309人(うち女性93人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは13人(うち女性4人、子供7人)。
これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は733,969人となった。
内訳は、レバノンからの帰還者336,999人(うち女性101,238人、子ども171,518人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,970人(うち女性119,139人、子ども202,458人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
43カ国で難民登録したシリア人の数は6,827,630人。
なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は963,249人(うち女性289,072人、子供490,961人)となった。
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一方、国内避難民22人が新たに帰宅した。
ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは22人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。
グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は22人だった。
これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,624人(うち女性41,381人、子供34,058人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,220人(うち女性423,940人、子供677,824人)。
シリア人権監視団が複数の活動家の情報をもとに発表したところによると、ルクバーン・キャンプからシリア政府支配地域に帰還した国内避難民(IDPs)はダマスカス郊外県ドゥマイル市一帯とアレッポ県農村地域から避難していた3世帯。
キャンプ内での劣悪な生活環境を逃れるために帰還を決心したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, December 21, 2021、SOHR, December 20, 2021をもとに作成。
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