ヌスラ戦線元メンバーが2019~2021年にダマスカス県、ダマスカス郊外県で発生した一連のテロ攻撃への関与を証言(2021年12月25日)

国営衛星放送のシリア・テレビ(12月25日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(現在の組織名はシャーム解放機構)のテロ・グループが2019年から2021年にダマスカス県、ダマスカス郊外県で発生した一連のテロ攻撃への関与を認める証言ビデオを配信した。

証言を行ったのは、アブー・ムハンマド(本名ターリク・ザキー・サアディー氏、ダマスカス県ヤルムーク区出身、1994年生まれ)、アブー・ハムザ(本名ムハンマド・アイマン・アルスラーン氏、ダマスカス郊外県アルバイン市出身、1990年生まれ)、アブー・ヤーミン(本名ユースフ・ムハンマド・フマイス氏、ダルアー県ムザイリーブ町出身、1995年生まれ)、マフムード・ナズハト・ナズハト氏(ダマスカス郊外県ハーマ町出身、1990年生まれ)、ウマル・ファフド・ナズハ氏(ダマスカス郊外県ハーマ町出身、1997年生まれ)。

テロ・グループのメンバーらは、多数の民間人や軍関係者の行動を監視して狙い、「カシオン(カースィユーン)連隊」という架空の組織名義で犯行声明を出したことを認めた。

「カシオン連隊」を名乗ったのは、攻撃が国際テロ組織に指定されているヌスラ戦線、シャーム解放機構によるテロでないように見せるためだったという。

彼らはまた、イドリブ県で活動するヌスラ戦線の指導者、具体的にはアブー・サーリフを名乗るテロリスト、アブー・アミーンを名乗るテロリスト(本名ムハンマド・サーリフ)らから直接支持を受けて活動を行い、偽のIDカードを使って爆発物や資金を入手していたと証言した。

例えば、彼らは、アブー・サーリフとのやり取りを通じて、偽の電話番号やフェイスブック・アカウントを作成し、非道徳なビデオを公開すると脅迫することで、動揺した人々をテロ・グループに参加させたという。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021、Syria TV, December 25, 2021などをもとに作成。

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