ドイツの裁判所は、シリアのムハーバラート(諜報機関)元士官(大佐)のアンワル・ラスラーン氏(58歳)に対して、シリアで民間人に対する組織的な殺人・拷問に関与したとして終身刑を言い渡した。
ラスラーン氏は、2011年4月から2012年9月にかけて、ダマスカス県にあるハティーブ収容所、通称「(軍事情報局)第251課」の尋問部隊の隊長を務めていたとされる人物。
2012年に、シリア国内で市民に対する大量殺りくがあったとして、軍を離反し、トルコを拠点とする反体制派に合流した。
その後、2014年にドイツに入国し、難民認定を申請していたが、2019年に逮捕された。
ドイツの検察は、ラスラーン氏が同部隊に配属中に、58件の殺人、4,000件以上の拷問や性的暴力に関与したとして主張していた。
今回の判決では、ラスラーン氏が27人の殺害に関与していると認定した。
今回の判決は、シリア政府関係者による違法な拷問や殺人に対する初の有罪判決で、ドイツの検察当局は、今回の裁判に関して「国家主導の拷問の実態を審理する世界初の刑事裁判」と評していた。
AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。
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