米軍がハサカ県内のキャンプに収容されていたダーイシュ・メンバーの家族数百人をイラク領内に移送(2022年3月3日)

ハサカ県では、SANA(3月3日付)がマーリキーヤ(ダイリーク)市一帯の複数の地元筋の話によると、米軍が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支援を受けて、県北部のハーン・ジャバル・キャンプに収容されていたダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族数百人を、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由して、イラク領内に移送した。

同地元筋にると、ダーイシュ・メンバーの家族を乗せた200輌以上からなる米軍とシリア民主軍の車列が、ハーン・ジャバル(ハーナ・セレー)村の西に2年前にシリア民主軍が設置したハーン・ジャバル・キャンプからイラクに向かったという。

シリア人権監視団によると、イラクに移送されたのは約450人。

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北・東シリア自治局の避難民・難民問題局のシャイフムース・アフマド共同局長がANHA(3月5日付)に対して明らかにしたところによると、イラク難民の移送はイラク政府や国連難民高等弁務官との連携のもと、ヤアルビーヤ国境通行所を経由してイラク領内に入った。

彼らのほとんどがサッダーム・フセイン政権時代にシリアに逃れてきた人々で、その数は約800人、ハサカ県のタッル・タムル町一帯、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町一帯で暮らしていた。

AFP, March 3, 2022、ANHA, March 3, 2022、Marech 4, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2022、Reuters, March 3, 2022、SANA, March 3, 2022、SOHR, March 3, 2022などをもとに作成。

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