スプートニク通信(アラビア語版、3月12日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の支配下にあるイドリブ県アリーハー市にある同機構の本部の一つに、猛毒ガス物質が10日夜から11日未明にかけて持ち込まれ、改造ロケット弾7発の弾頭に装填された、と伝えた。
複数の独自筋によると、猛毒ガス物質は、トルコ国境に近いサルマダー市から三つのルートを経由して搬入され、その後、アリーハー市内の本部に併設されている保管庫でロケット弾に装填されたという。
また、猛毒ガス物質は、サルマダー市南西の農場で、フランス人とベルギー人の開発者が受け取り、同地でロケット弾に装填された。
猛毒ガス物資が何なのかは不明だが、塩素ガス、ないしはサリン・ガスである可能性が高く、今週になってトルコ領内から商用ルートを経由して持ち込まれたものと見られる。
ロケット弾の移送は、シャーム解放機構の司令官1人の監督のもと、飼料などに隠して農業用トラクターで行われたという。
また、アリーハー市への移送は、ロシア軍偵察機の監視の目をかいくぐるため、大雪に乗じて夜間に行われた。
改造ミサイルは近く、シリア軍による民間人への攻撃を偽装するために使用されるものと見られる。
AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022、Sputnik News, March 12, 2022などをもとに作成。
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