トルコのソイル内務大臣は「アンジェリーナ・ジョリーがシリア国境で写真を撮っても難民問題は解決しない」と述べ、欧米諸国の見掛け倒しの行動を批判(2022年4月1日)

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、米国女優でUNHCR親善大使を務めるアンジェリーナ・ジョリーを引き合いに出して、欧米諸国がシリア難民の問題を軽視していると批判した。

『ミッリ・ガゼテ』(4月1日付)によると、ソイル内務大臣は、「アンジェリーナ・ジョリーがシリア国境に来て写真を撮っても、問題は解決しない。世界の巨万の富はどこにあるのか? 自由や平等のためと言うだけで見掛け倒しの行動をする欧州諸国はいったいどうなんだ。彼らの人間性はどうなんだ」と述べた。

発言は、アナトリア通信が主催した第20期従軍記者訓練証明書式典で行われたもので、シリア難民の苦しみにスポットライトをあてるとともに、西側諸国の関心のなさを明らかにするために行われたもの。

ソイル、は昨年12月にも、アンジェリーナ・ジョリーを引き合いに出して、「彼らはアンジェリーナ・ジョリーの写真で世界の難民問題を解決しようとしている」と述べていた。

また、数週間前には、「あなた方はバングラデシュからイエメンにいたるまで、世界のさまざまな場所に手を差し伸べてきた。我々も自らの手を差し伸べ、人間性を守ろうとしてきた。我々は、誰かのように、アンジェリーナ・ジョリーの写真で「騙す」ことなどしてはいない」とも述べていた。

AFP, April 2, 2022、ANHA, April 2, 2022、al-Durar al-Shamiya, April 2, 2022、Milli Gazete, April 1, 2022、Reuters, April 2, 2022、SANA, April 2, 2022、SOHR, April 2, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.