シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は声明で、ロシアでメンバー10人が逮捕されたとの報道を否定(2022年4月4日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の広報局は声明を出し、ロシアでメンバー10人が逮捕されたとのロシアの複数メディアの報道を否定した。

声明の内容は以下の通り:

いわゆる「連邦保安庁」の発表だとして、シャーム解放機構のメンバー10人がロシアで逮捕されたと伝えているロシアの複数の通信社の主張は、これまでに行われてきた数十という主張と同じく無意味で悪意のある主張だ。
シャーム解放機構がシリアで活動する軍事組織で、各戦線で解放区を防衛しており、同地の外には存在しないことは皆が知っている。
占領国はこうした主張をしばしば吹聴することで、あからさまな干渉、爆撃や攻撃の継続、医療施設や住宅地の攻撃を正当化しようとしている。我々は、ウソに騙されないよう皆に呼びかけたい。

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ロシアのタス通信(4月1日付)などは、シャーム解放機構のメンバー10人がロシア国内の9カ所で逮捕されたとロシア連邦保安庁が声明を発表したと伝えていた。

同声明によると、メンバー10人が逮捕されたのは、ロシア連邦内のバシコルトスタン共和国、ダゲスタン共和国、イングーシ共和国、クラスノダール市、アストラハン市、ヴォルゴグラード市、ノヴォシビルスク市、トゥーラ市、チュメニ市。

尋問の結果、メンバー10人は、幅広い地域ネットワークを構築し、資金を集め、蓄積し、銀行口座やカードへの送金を行い、将来的にシリア領内の支配地域(イドリブ県)の戦闘員のニーズに対応するため、宗教的な寄附を偽って資金提供をしようとしていたという。

AFP, April 4, 2022、ANHA, April 4, 2022、al-Durar al-Shamiya, April 4, 2022、Reuters, April 4, 2022、SANA, April 4, 2022、SOHR, April 4, 2022、TASS, April 1, 2022などをもとに作成。

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