アサド大統領はラマダーン月を記念してイスラーム教の高位ウラマーからなる使節団と会談(2022年4月11日)

アサド大統領は、ラマダーン月を記念して首都ダマスカスで、イスラーム教の高位のウラマー(学者・宗教指導者)からなる使節団と会談した。

会談には、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣が同席した。

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SANA(4月11日付)によると、会談では、宗教機関の役割、一部の人々がしばしば提起するイスラーム教の教義に反した理解や概念、ウラマーらが宗教の本質や目的に合致したかたちで諸概念を構築することの重要性に話が集中した。

アサド大統領は、宗教の刷新と改革という二つの概念を正しく理解することに言及し、ウラマーらがシリアの宗教機関の発展、長年にわたって一部のウラマーらが陥っていた過った理解の改善において重要な対応をとってきたことを強調した。

アサド大統領はまた、刷新という概念への深淵な理解は、どれだけ深く宗教を深く掘り下げて行くことができるかにかかっており、それは聖コーランがあらゆる時代、状況に対応しているという原則に基づいている、との見方を示した。

アサド大統領はさらに、シューラー(諮問)の原則について言及、それによって、民族、社会全体が利益を得ることができる幅広いなアイデアが提示される必要があると述べるとともに、アッラーが下したかたちで宗教の教義に回帰すること、立法の基礎をなす法源、すなわち聖コーランとハディースに回帰することが重要であると強調した。

アサド大統領は、イスラーム社会の宗教機関には、思想面での戦いへの対応など、教義において火急に対処すべき大きな課題があるとしたうえで、これらの機関には、自らの社会が晒されている有害な思想に打撃を加えられるよう、教育、道徳、習慣、伝統、公理といったツールを並行して用いる必要があると述べた。

AFP, April 11, 2022、ANHA, April 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, April 11, 2022、Reuters, April 11, 2022、SANA, April 11, 2022、SOHR, April 11, 2022などをもとに作成。

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