米国務省シリア問題担当元特使は新著のなかでシリアとイスラエルの秘密交渉がシリア革命によって頓挫したことを明かす(2022年4月10日)

『ハアレツ』(4月10日付)は、バラク・オバマ政権下で米国務省シリア問題担当特使を務めていたフレデリック・ホフ氏の新著『高みに至って:シリア・イスラエル間の和平に至る極秘の試みの内幕』(Reaching for the Heights: The Inside Story of a Secret Attempt to Reach a Syrian-Israeli Peace)の書評記事(イスラエルにおけるシリア歴史研究の第一人者であるイタマル・ラヴィノビッチ氏が機構)を掲載した。

書評記事によると、ホフ元特使は著書のなかで、オバマ政権がシリアとイスラエルを仲介し、和平合意を交わさせようと秘密裏に取り組んでいた。

同書によると、アサド大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(当時)はいずれも和平プロセスにに真摯に取り組む意欲を示し、オバマ政権を驚かせたという。

秘密交渉は2009年から2014年にかけて行われ、シリアとイスラエルの和平合意実現は間近に見えたが、2011年3月にシリアに「アラブの春」が波及し、いわゆるシリア革命が始まったことで交渉は中断した。

ホフ元特使は、ハーフィズ・アサド前大統領が、キャンプ・デーヴィッド合意のように米国が仲介国となるのではなく、シリア、イスラエル、米国の三カ国和平合意の締結をめざしていたことを明らかにしている。

AFP, April 12, 2022、ANHA, April 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2022、Haaretz, April 10, 2022、Reuters, April 12, 2022、SANA, April 12, 2022、SOHR, April 12, 2022などをもとに作成。

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