テロ犯罪に対する恩赦を定めた2022年法令第7号施行を受けて、ダマスカス県の大統領橋一帯で逮捕者の帰りを待っていた家族らを当局が排除、道路補修作業を理由に封鎖(2022年5月5日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団が複数筋の情報として発表したところによると、バラームカ地区から、大統領橋を経て、アブー・ルンマーナ地区に至る一帯に治安部隊が展開し、2022年法令第7号(2022年4月30日施行)によって2022年4月30日以前のすべてのテロ犯罪に対する恩赦が決定されたのを受けて、投獄中の家族が釈放されるのを待って、ダマスカス県、ダマスカス郊外県などから集まった家族ら数千人を排除した。

また、首都ダマスカス各所、ダマスカス郊外県サイドナーヤー市などでも、複数の治安機関がパトロール活動を繰り返し、逮捕者の家族が集会を行うのを阻止した。

一方、ダマスカス県庁は、観光省本舎とブスターン・ホテルからヴィクトリア橋交差点のセミラミス・ホテル、マルジャ広場、ヒューズフ・アズマ広場の県庁舎に至る道路を補修作業のために閉鎖すると発表した。

道路閉鎖は5月7日土曜日から作業が終了するまでの期間。

SANA(5月5日付)が伝えた。

このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月5日付)によると、カッザーズ地区内の広場で男性どうしが口論となり、1人が手りゅう弾を爆発させ、女性1人と子供5人を含む複数人が巻き添えとなって重軽傷を負った。

また、サウト・アースィマ(5月5日付)による、ダッフ・シューク地区内の広場で国防隊のメンバー1人が手りゅう弾を爆発させ、4人が負傷した。

 

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、2022年法令第7号(2022年4月30日施行)によって2022年4月30日以前のすべてのテロ犯罪に対する恩赦が決定されたのを受け、ダマスカス郊外県のアドラー刑務所(ダマスカス中央刑務所)を出所した46人を乗せたバス複数台が、ダルアー市の合同庁舎に到着した。

同監視団によると、4月30日以降、恩赦によって釈放された逮捕者は298人に達しているという。

AFP, May 5, 2022、ANHA, May 5, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2022、Reuters, May 5, 2022、SANA, May 5, 2022、Sawt al-‘Asima, May 5, 0222、SOHR, May 5, 2022などをもとに作成。

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