ハサカ県では、SANA(5月16日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、5月15日深夜から16日未明にかけて、北・東シリア自治局の支配下にあるシャッダーディー市近郊にある米軍基地にロケット弾多数が撃ち込まれた。
ロケット弾は、米軍の空港施設が設置されているジャブサ油田の居住地区、米軍が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に供与する無人航空機(ドローン)を製造するために転用しているとされる同油田の法務局に着弾した。
同地元筋によると、現地では、救急車輌が駆けつける音が鳴り響くとともに、米軍の航空機が上空を旋回、シリア民主軍がシャッダーディー市で厳戒態勢を敷いた。
死傷者の有無についての情報はないという。
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バラディー・ニュース(5月16日付)は複数の親イラン筋の話として、発射されたロケット弾は2発で、イラク・シリア国境地帯から発射され、1発がジャブサ油田近く、もう1発が軍事医療ポイント近くに着弾したと伝えた
一方、ノース・プレス(5月16日付)は、軍事筋の話として、ロケット弾が発射されたのはシャッダーディー市北西の第47地区だと伝えたうえで、ロケット弾1発が着弾した瞬間を撮影したとされる写真を掲載した。
また、シリア人権監視団は、シャッダーディー市に着弾したロケット弾は複数発だとしたうえで、人的被害は確認されていないと発表した。
ANHA(5月16日付)、シリア人権監視団などによると、誰がロケット弾を発射したのかは不明。
AFP, May 16, 2022、ANHA, May 16, 2022、Baladi-News, May 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2022、North Press, May 16, 2022、Reuters, May 16, 2022、SANA, May 16, 2022、SOHR, May 16, 2022などをもとに作成。
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