イスラエル・メディアは5月13日のイスラエル軍機によるシリアへのミサイル攻撃に際してロシア製のS-300が発射されたと伝える(2022年5月18日)

『イスラエル・ハヨム』紙(5月15日付)は、5月13日にイスラエル軍戦闘機がハマー県ミスヤーフ市一帯に対してミサイル攻撃を行った際、ロシア製のS-300長距離地対空ミサイルがイスラエル軍機に向けて発射されていた、と伝えた。

同紙は、発射されたS-300がロシア軍、シリア軍のいずれが保有しているものかは明らかではないとしつつ、シリアでS-300がこれまでにイスラエル軍戦闘機に向けて発射されたことはなかったと強調した。

ロシアがウクライナへの侵攻を開始して以降、イスラエルはウクライナへの武器供与を控えていたが、4月末にヘルメットやフラックジャケットを提供することを決定しており、S-300の発射はイスラエルの政策変更に対するロシア側の反発と見て取ることもできるという。

一方、イスラエルのチャンネル13も、S-300が発射されたとしつつ、イスラエル軍機に脅威を与えるものではなかったと伝えた。

S-300の発射が今回に限った例外的な措置だったのか、ロシアがシリア領内でのイスラエル軍の侵犯行為を規制するために新たな政策を採用したのかは不明だという。

AFP, May 18, 2022、ANHA, May 18, 2022、Channel 13, May 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2022、Israel Hayom, May 18, 2022、Reuters, May 18, 2022、SANA, May 18, 2022、SOHR, May 18, 2022などをもとに作成。

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