イスラエル軍戦闘機がシリア領内をミサイル攻撃、ダマスカス国際空港の滑走路、ターミナル、管制塔が被害を受け、旅客便の運航が延期に(2022年6月10日)

SANA(6月10日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午前4時20分、占領下ゴラン高原の上空から首都ダマスカス南方の複数カ所を狙ってミサイル多数を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、ミサイルのほとんどを撃破したと伝えた。

しかし、この攻撃で、民間人1人が負傷、若干の物的被害が出た。

一方、運輸省は声明を出し、イスラエル軍による攻撃で、ダマスカス国際空港の滑走路、第二ターミナル・ビルなど一部施設が被害を受け、稼働が停止したことを受け、同空港の発着便全便が運航を48時間中止すると発表した。

また、シャーム・ウィング社は声明を出し、ダマスカス国際空港の発着便の運航を一時中止し、アレッポ国際空港発着便に切り替えるとともに、ダマスカス国際空港からアレッポ国際空港への利用客の移動の費用を全額保障すると発表した。

シリア人権監視団、サウト・アースィマ(6月10日付)などによると、攻撃は、北側の滑走路、空港の敷地内にある「イランの民兵」の倉庫3棟、管制塔などに及んだ。

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なお、南側の滑走路は2021年9月に建設が開始されたが、度重なるイスラエル軍の爆撃によって建設作業が中断し、完成には至っていない。

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ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は声明を出し、イスラエル軍によるダマスカス国際空港へのミサイル攻撃を厳しく非難し、こうした行為を停止するようイスラエルに要請した。

ザハロワ報道官はまた、イスラエルのシリア領内への断続的な爆撃は、国際法違反であり、決して受け入れられない挑発行為だと述べ、こうした無責任な行為が国際的な航空交通を体系的な脅威に晒し、無垢の民間人の声明を危険に晒すことになると警鐘を鳴らした。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣もファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と電話会談を行い、イスラエル軍の卑劣な行為を非難すると伝えた。

AFP, June 10, 2022、ANHA, June 10, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2022、Reuters, June 10, 2022、SANA, June 10, 2022、Sawt al-‘Asima, June 10, 2022、SOHR, June 10, 2022などをもとに作成。

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