ロシア国防省は声明を出し、シリア領内に部隊を違法に駐留させている米軍が、タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で「テロリスト」を教練し、シリアでのテロ攻撃に対する支援を続けていると非難、武装グループの拠点を爆撃で破壊する瞬間を空撮した映像を公開した。
声明によると、55キロ地帯でダーイシュ(イスラーム国)の手による教練を受け、米国がシリアでの外交政策の優先事項を実現するための道具の一つとみなす武装グループが、民間人や、石油施設などのシリアの民間施設に対する攻撃を行っている。
そうした武装グループの一つが、米軍特殊部隊の教練を受け、シリアの砂漠地帯に密かに侵入、同地の石油生産施設へのテロ攻撃を計画した。
このグループが最初に姿を現したのは6月20日で、ラッカ県とダイル・ザウル県の県境で民間のバスに発砲、14人を殺害、5人を負傷させた。
また、砂漠地帯での複雑な作戦の末、シリア軍部隊がロシア軍偵察機の支援を受けて、テロリストの隠れ場所を発見し、精密打撃によりこれを殲滅した。
RT(6月26日付)などが伝えた。
**
CNN(6月16日付)は、ロシアが今週初め、米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動を続ける反体制武装集団に対して爆撃を実施することを米国に通知していたと伝えていた。
この通知を受けて、米軍は反体制武装集団の戦闘員を米軍の拠点に避難させたという。
この際、米軍は爆撃が行われた地域から離れた場所に展開していたため、避難はしなかった。
AFP, June 26, 2022、ANHA, June 26, 2022、CNN, June 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2022、Reuters, June 26, 2022、SANA, June 26, 2022、SOHR, June 26, 2022などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.