米主導の有志連合はタンフ国境通行所基地内での抗議デモの排除を試み、革命特殊任務軍カースィム新司令官の就任を歓迎、革命特殊任務軍はタラーア司令官解任の是非をめぐって分裂(2022年10月3日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)の部隊が、タンフ国境通行所に設置されている米軍(有志連合)基地を包囲し、基地内で抗議デモを続ける革命特殊任務軍のメンバーやルクバーン・キャンプの国内避難民(IDPs)らに対して、拡声器を通じて武器を携帯せずに退去するよう命じた。

基地内では、米軍による革命特殊任務軍のムハンナド・アフマド・タラーア司令官の解任とムハンマド・ハリード・カースィム氏の新司令官への任命を拒否する革命特殊任務軍メンバーやIDPsが抗議デモを続けていた。

有志連合部隊はまた、複数の戦闘機を同地に派遣し、上空を旋回させ、警戒活動にあたった。

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これに対して、革命特殊任務軍の軍事評議会を名乗るグループはビデオ声明を出し、タラーア司令官の解任にかかる米軍(有志連合)の決定に関して、いかなる外部介入をも断固として拒否すると発表した。

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しかし、革命特殊任務軍はツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/MaghaweirThowra/)を通じて、カースィム新司令官が、権限移譲と今後の作戦について協議するため、同軍司令官らと会談したと発表、写真を公開した。

また、人事改編を経ても、ダーイシュ(イスラーム国)に対する作戦を継続し、55キロ地帯の安全維持に務めると強調した。

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一方、有志連合はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/CJTFOIR/)を通じて、カースィム新司令官の就任を歓迎すると発表、革命特殊任務軍とともに、ダーイシュとの戦いへの専念を続け、平和と地域の安定を促進したいと強調、同司令官との面談、会合の様子を撮影した写真を公開した。

https://www.facebook.com/CJTFOIR/posts/pfbid02Wt5b3k6yZzyTQvH6eCzREQCdKBmPHxyrK9j4bs1ctAfHUiz1iCkk4FZz6FUrYAtTl

AFP, October 3, 2022、ANHA, October 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2022、Reuters, October 3, 2022、SANA, October 3, 2022、SOHR, October 3, 2022などをもとに作成。

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