イナブ・バラディー(10月14日付)、バラディー・ニュース(10月14日付)、シリア人権監視団などによると、シャーム解放機構とシリア国民軍第3軍団は、前者が支援するシリア国民軍所属のハムザ師団と後者を指導するシャーム戦線の間で11日に始まったアレッポ県バーブ郡、アアザーズ郡、アフリーン郡での戦闘を停止することを合意した。
交渉は、シャーム解放機構が管理するイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所で行われ、両者の合意文書は、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者と第3軍団のフサーム・ヤースィーン司令官(アブー・ヤースィーン)によって署名された。
発表された声明によると、合意は、包括的な戦闘と対立の停止、今回の戦闘で双方が拘束した逮捕者の釈放、第3軍団への拠点の返還、第3軍団の拠点や装備への攻撃停止、シャーム解放機構による厳戒態勢の解除、武装組織間の対立や政治的対立を理由にした追跡・逮捕の禁止を骨子としている。
合意は、シャーム解放機構が14日、アアザーズ市西のカフルジャンナ村一帯に展開するシャーム戦線の拠点への攻撃を再開し、砲撃戦が激化するなかで、同地のトルコ軍の軍事拠点に砲弾が着弾し、トルコ軍兵士複数人が負傷したのを受けたもの。
合意を受けて、トルコ軍部隊が事態を収拾するため、アフリーン郡のジンディールス町一帯、バーブ市に再展開した。
トルコ軍部隊は、戦闘激化を受けて、戦闘地域から一時撤退していた。
また、合意に先立って、シャーム解放機構と解放建設運動は双方が拘束した逮捕者を釈放し、身柄を交換した。
身柄が交換されたのは、シャーム解放機構のメンバー8人と解放建設運動のメンバー14人。
なお、11日以降の戦闘による死者は27人に達した。
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シリア・クルド国民評議会は声明を出し、アレッポ県アフリーン郡に侵攻したシャーム解放機構を「テロリストに分類されている」としたうえで、シリア国民軍諸派への攻撃を避難した。
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— حروب و خرائط (@abduljabbar1612) October 14, 2022
AFP, October 14, 2022、ANHA, October 14, 2022、Baladi News, October 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 14, 2022、‘Inab Baladi, October 14, 2022、Reuters, October 14, 2022、SANA, October 14, 2022、SOHR, October 14, 2022などをもとに作成。
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