PYD、シリア民主評議会は「シリア危機」発生から12年が経ったのに合わせてシリア人による危機解決を呼びかける声明を発表、北・東シリア自治局支配地で祝典やシンポジウムが催される(2023年3月15日)

クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)の総合評議会は、3月15日でシリア危機発生から12年が経ったのを記念して世論向けの声明を出し、危機の解決策がシリアによってもたらされねばならないと改めて強調した。

PYDは、2011年3月11日に始まった民衆の運動が、2004年3月12日にハサカ県各所で始まったいわゆる「カーミシュリーの春」の延長上に位置づけられ、シリア政府の戦略的撤退を受けてアレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市の住民が街頭に繰り出し、「革命旗」を掲げた「2012年7月19日革命」によって民主的変革を希求する国民の意志がかたちを得たと主張、シリア国内外の愛国的勢力に対して、真の革命を主導するための国民的行動の基盤を構築し、国を破壊の混乱から救い、占領を終らせ、自由で分権的で民主的なシリアを建設し、国連安保理決議第2254号に従って危機を解決するよう呼びかけた。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治部門であるシリア民主評議会のアミーナ・ウマル共同議長ら幹部は、同評議会の傘下で活動する政治組織の代表らとともに、ハサカ県カーミシュリー市にある北・東シリア自治局渉外関係委員会で記者会見を開き、3月15日でシリア危機発生から12年が経ったのを記念して世論向けの声明を発表し、すべての民主的愛国勢力に対して、「民主的・文献的シリア」の建設に向けた新たな未来的ヴィジョンを作り出すための対話に参加するよう呼びかけた。

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シリア・クルド左派党、シリア近代民主党も同様の声明を出した。

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北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ県のラッカ市では、3月15日でシリア危機開始から12年が経ったのを記念して、「国民が勝利し、民主主義が実現するまで革命を」と銘打った祝典が催され、緑のイドリブ評議会、シリア民主軍傘下のラッカ軍事評議会、北部民主旅団部隊、シリア・ムスタクバル党、部族長や名士、ゼノビア女性連合、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県からの国内避難民(IDPs)らが参加した。

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ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるダイル・ザウル県北部のいわゆる「7キロ地帯」の民政評議会で、シリア民主評議会、市民社会組織、女性団体のメンバーらが、3月15日でシリア危機開始から12年が経ったのを記念して、「シリア革命と民主的変革」と銘打ったシンポジウムを開催した。

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ANHA(3月15日付)が伝えた。

AFP, March 15, 2023、ANHA, March 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2023、Reuters, March 15, 2023、SANA, March 15, 2023、SOHR, March 15, 2023などをもとに作成。

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