イナブ・バラディー:シャーム解放機構の支配地とトルコ占領地で暮らすパレスチナ人はハマースによる「アクサーの大洪水」作戦に伴うイスラエル軍のガザ地区への攻撃を非難、ガザ地区のパレスチナ人との連帯を訴える(2023年10月16日)

イナブ・バラディー(10月16日付)は、シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部(いわゆる「解放区」)、トルコ占領地で暮らすパレスチナ人の実態について報じた。

それによると、シャーム解放機構の支配地にはシリア北部パレスチナ強制移住者連盟、パレスチナ機構、トルコ占領地には暫定内閣パレスチナ難民記録センター、同内閣地方行政省パレスチナ難民問題総局といった組織があり、同地のパレスチナ人を支援しているという。

シリア北西部には現在パレスチナ人1635世帯が、シャーム解放機構支配下のイドリブ県のカッリー町近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ、アティマ村、アクラバート村、ダイル・バッルート村、イドリブ市、トルコ占領下のアレッポ県のアアザーズ市、アフリーン市、ジンディールス町などに暮らしている。

また、シャーム解放機構の支配下にあるサルマダー市には、イスラエル国籍を有するパレスチナ人(48年アラブ人)も暮らしているという。

彼らの多くは、アレッポ県のハンダラート・キャンプ、ダマスカス県のヤルムーク・キャンプ、ダマスカス郊外県のハーン・シャイフ・キャンプなどを逃れてシリア北西部に移住してきたという。

シリア北部パレスチナ強制移住者連盟のサーイル・アブー・シャラフ代表は、パレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」作戦に伴うイスラエル軍のガザ地区への攻撃激化に関して、ガザ地区のパレスチナ人との連帯を訴える一方、国際社会のイスラエル寄りの姿勢を批判した。

一方、10月13日のイドリブ市でイスラエル軍のガザ地区への攻撃を批判し、パレスチナ人との連帯を訴えるデモを組織したパレスチナ機構のアイマン・ガズィー代表も、ガザ地区の住民との連帯を表明、彼らの問題を解決するために持ち得るすべてを提供したいと述べた。


AFP, October 16, 2023、ANHA, October 16, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 16, 2023、‘Inab Baladi, October 16, 2023、Reuters, October 16, 2023、SANA, October 16, 2023、SOHR, October 16, 2023などをもとに作成。

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