ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米国が主導する有志連合が違法に占領するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に、「イランの民兵」の無人航空機(ドローン)複数機が飛来、うち1機が通行所に設置されている基地を爆撃した。
これに対して、基地に駐留する有志連合が迎撃、爆撃を行ったドローンを撃墜するとともに、基地を爆撃しようとした別の2機についてもこれを撃墜した。
このうち1機はルクバーン・キャンプの東約4キロの地点、もう1機はルクバーン・キャンプの東約3キロの地点で撃墜された。
この攻撃に関して、イラク・イスラーム抵抗は声明を出し、シリアのヒムス県タンフ国境通行所とルクバーン・キャンプに米国が設置している基地2ヵ所に対して月曜日(23日)早朝に無人航空機(ドローン)2機で攻撃を行い、直接の損害を与えたと発表した。
一方、米中央軍(CENTCOM)も23日午後10時頃、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM)を通じて、以下の通り発表した。
シリア:2023年10月23日朝、米軍はシリア南西部の米軍と連合軍に接近した一方向(one-way)攻撃型無人航空機(ドローン)2機が目標としていた標的に到達する前に破壊した。死傷者や被害は出ていない。
SYRIA – On the morning of Oct. 23, 2023, the U.S. military destroyed two one-way attack drones near U.S. and Coalition forces in southwest Syria before they reached their intended targets. There are no casualties or damage.
— U.S. Central Command (@CENTCOM) October 23, 2023
警戒が高まっている現在、我々は地域の状況を注意深く監視しており、米軍と連合軍を守るために必要かつ相応の行動を取るつもりである。
In this moment of heightened alert, we are vigilantly monitoring the situation in the region and will take necessary and proportionate action to defend U.S. and Coalition forces.
— U.S. Central Command (@CENTCOM) October 23, 2023
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)支配下のユーフラテス川西岸にあり、米軍基地を違法に設置されているウマル油田一帯に対して、「イランの民兵」が無人航空機(ドローン)複数機で爆撃を実施し、少なくとも2回の爆発が発生した。
この攻撃に関して、イラク・イスラーム抵抗は23日晩に声明を出し、ダイル・ザウル県にあるウマル油田とハサカ県のシャッダーディー市にある米軍基地2ヵ所に対しても複数のドローンで攻撃を加え、直接の損害を与えたと発表した。
AFP, October 23, 2023、ANHA, October 23, 2023、‘Inab Baladi, October 23, 2023、Reuters, October 23, 2023、SANA, October 23, 2023、SOHR, October 23, 2023などをもとに作成。
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