「イランの民兵」がハサカ県ハッラーブ・ジール村(ルマイラーン町近郊)に米軍(有志連合)が違法に設置している基地をドローンとロケット弾で攻撃、米軍が爆撃で対応:イラクのカターイブ・ヒズブッラーは関与を否定(2024年4月21日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」が北・東シリア地域民主自治の支配下にあり、米軍(有志連合)が違法に設置しているハッラーブ・ジール村(ルマイラーン町近郊)の基地を無人航空機(ドローン)1機で攻撃、米軍が迎撃し、これを撃墜した。

「イランの民兵」は、その後ハッラーブ・ジール村の基地に対してロケット弾複数発で攻撃を行った。

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これに関して、イラク治安情報細胞(ISMC)は、シリア国境に近いニーナワー県西部で攻撃に使われたと見られるロケット砲の発射装備などが発見されたと発表した。

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一方、ロイター通信(4月22日付)は、攻撃に使用されたロケット弾は5発で、イラクのニーナワー県のシリア国境に近いズンマール村に停車していた小型トラックから発射されたと伝えた。

また、イラクのヒズブッラー大隊とつながりがあるテレグラムのグループが、米主導の有志連合の駐留を終わらせるための協議に進展が見られなかったため、3ヵ月ぶりに攻撃を再開したとのポストをアップしたと付言した。

だが、ヒズブッラー大隊はテレグラムのアカウント(https://t.me/s/KHezbollah)を通じて、過去48時間にいかなる声明も発表していないとし、これを否定した。

ロイター通信(4月22日付)はさらに、米国の匿名関係者の話として、攻撃による米軍側に負傷者などはなかったとしたうえで、米軍航空機1機が砲弾発射地を爆撃したと伝えた

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RIAノーヴォスチ通信(4月1日付)は、攻撃がドローン1機とロケット弾4発によって行われたと伝えた。

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米主導の有志連合の貨物車輌など40輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、タッル・バイダル村の米軍基地に向かった。

AFP, April 21, 2024、ANHA, April 21, 2024、‘Inab Baladi, April 21, 2024、Reuters, April 21, 2024、April 22, 2024、SANA, April 21, 2024、SOHR, April 21, 2024などをもとに作成。

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