ダマスカス郊外県内のダマスカス・ベイルート街道沿線を走行中の車1台がイスラエル軍所属と見られる無人航空機の攻撃を受け、ヒズブッラーのナスルッラー書記長の元護衛らが死亡(2024年7月9日)

シャームFM(7月8日日付)、ハドス・チャンネル(7月8日付)などは複数の地元筋の話として、ダマスカス郊外県内のダマスカス・ベイルート街道沿線に設置されているシリア軍第4師団の検問所近くで走行中の車1台が無人航空機1機のミサイル攻撃を受けたと伝えた。

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シリア人権監視団によると、攻撃はジュダイダト・ヤーブース村近郊の街道沿線に設置されているシリア軍第4師団の検問所近くの車を狙ったもの。

車は、レバノンのヒズブッラーの車輛で、攻撃によって炎上、乗っていたヒズブッラーのメンバーと見られる2人が死亡、ドライバーのシリア人1人が負傷した。

LBCI (7月9日付)によると、この攻撃で、ハサン・ナスルッラー書記長の前の護衛のヤースィル・ニムル・カルナバシュ氏が死亡したと伝えた。

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一方、レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)で、戦闘員のヤースィル・ニムル・カルナバシュ氏が死亡したと発表した。

これに先立って、戦闘員のアリー・フサイン・ワイザーニー氏が死亡したと発表していた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍によるシリアへの攻撃は、7月に入って初めて、今年に入って50回目(うち37回が航空攻撃、13回が地上攻撃)、これにより104あまりの標的が破壊され、軍関係者176人が死亡、91人が負傷しているという。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):23人
ヒズブッラーのメンバー:38人
イラク人:18人
「イランの民兵」のシリア人メンバー:43人
「イランの民兵」の外国人メンバー:14人
シリア軍将兵:40人

また、民間人も16人(女性3人と子供1人を含む)が死亡、36人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:20回
ダルアー県:13回
ヒムス県:7回
クナイトラ県:5回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:1回
アレッポ県:2回

AFP, July 9, 2024、ANHA, July 9, 2024、al-Hadth, July 9, 2024、‘Inab Baladi, July 9, 2024、LBCI, July 9, 2024、Reuters, July 9, 2024、SANA, July 9, 2024、SOHR, July 9, 2024などをもとに作成。

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