イスラエル軍がラタキア市入口近くとヒムス県の「非公式」の国境通行所を爆撃し、民間人2人が負傷(2024年10月17日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて、イスラエル軍が午前2時50分、地中海方面からラタキア県ラタキア市入口近くの1ヵ所を狙って航空攻撃を行い、民間人2人が負傷し、周辺の私有財産に物的損害が生じたと発表した。

この攻撃を受けて、外務在外居住者省は声明を出し、イスラエルに地域諸国およびその住民への継続的な攻撃に対処するため、国際社会の迅速な行動が必要だとしたうえで、同国の犯罪の責任を追及し、西側諸国による支援を暴露するために早急に措置を講じる必要があると表明した。

SANA(10月17日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍が攻撃したのは、ラタキア市南東部のユダヤ地区にあるヒズブッラーのロケット弾庫。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が、クサイル市近郊のフーシュ・サイイド・アリー村に近い「非公式」のジャルマーシュ国境通行所を爆撃した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、今年に入って115回(うち95回が航空攻撃、20回が地上攻撃)となり、これにより195あまりの標的が破壊され、軍関係者257人が死亡、181人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:47人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):75人
「イランの民兵」の外国人メンバー:24人
シリア軍将兵:56人
身元不明人:2人

また、民間人も40人(イエメン人医師とその妻、3人の子供を含む)が死亡、53人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:46回
ダルアー県:17回
ヒムス県:28回
クナイトラ県:11回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:2回
ハマー県:4回
スワイダー県:1回
ラタキア県:2回

AFP, October 17, 2024、ANHA, October 17, 2024、‘Inab Baladi, October 17, 2024、Reuters, October 17, 2024、SANA, October 17, 2024、SOHR, October 17, 2024などをもとに作成。

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