北・東シリア地域民主自治局は10項目からなる対話イニシアチブを提案、シャーム解放機構主体の旧反体制派との協力に前向きな姿勢を示す(2024年12月16日)

北・東シリア地域民主自治局は声明を出し、10項目からなる新たなシリアを建設するための対話イニシアチブを提案、首都ダマスカスを制圧したシャーム解放機構主体の旧反体制派との協力に前向きな姿勢を示した。

北・東シリア地域民主自治局が提案した10項目は以下の通り。

1. シリア領土の統一と主権を維持し、トルコとその「傭兵」による攻撃からこれらを防衛すること。
2. シリア全土での軍事作戦を停止し、包括的かつ建設的な国家対話を開始すること。
3. 寛容の姿勢を取り、シリア国民どうしの憎悪や裏切りの言説を避けること。シリアは多様性に富んだ国であり、この豊かさと多様性を公正で民主的な基盤の上で守るべきである。
4. 移行期に関する統一的なビジョンを確立するため、シリアの政治勢力がダマスカスに集う緊急会議を開催すること。
5. 政治プロセスにおける女性の積極的な参加を実現すること。
6. 資源や経済資産は、シリア全土に公平に分配されるべきで、シリア国民全員のものであることを強調すること。
7. 住民や強制的に追放された人々が自分たちの地域に戻ることを保証し、その文化遺産を保護し、人口構成を変える政策を終わらせること。
8. シリアの情勢変化を踏まえ、「テロとの戦い」を引き続き強調すること。とりわけダーイシュ(イスラーム国)の再興を防ぐため、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍および有志連合との共同協力を継続すること。
9. 占領状態を終わらせ、シリアの未来を描く決定をシリア国民に委ね、善隣関係の原則を適用すること。
10. アラブ諸国、国連、有志連合、ならびにシリアの問題に関わるすべての国際的な有力勢力による建設的な役割を歓迎し、彼らがシリア国民に助言や支援を提供し、多様な社会成員や勢力間の意見の調整を図ることで、安定と安全を維持し、シリアへの外部干渉を停止する積極的かつ効果的な役割を果たすよう促すこと。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.