ジャアファリー駐ロシア・シリア大使はアサド大統領の声明を暗にけん制:大統領府はアサド大統領の声明を削除(2024年12月17日)

バッシャール・ジャアファリー駐ロシア・シリア大使は、ロシア在住のシリア人に向けて声明を出し、大統領府のSNSプラットフォームが16日に発表したアサド大統領の声明を暗にけん制した。

声明の内容は以下の通り。

シリア・アラブ共和国大使館は、ロシアに在住する敬愛すべきシリア人の皆さんに対し、この重要かつ繊細な時期において、一部の少数者が行う扇動や挑発に対して、正確かつ慎重に対応するよう呼びかける。これらの行為がいかなる国家的責任感も伴わっていない。
大使館は当初から、シリア国民の意思による変革と自由の勝利を支持し支援してきた。外務在外居住者省の声明に基づき、シリアの歴史が新たな1ページが始まり、明日のシリアを築くため、すべてのシリア人の声を集めた国民憲章と時代が訪れたことを強調する声明を発表した。また、独立旗、新生自由シリアの旗を掲げ、大使館を訪れた在留シリア人とともに、この勝利を祝った。さらに、大使自身も個人で声明を発表し、新たな段階を支持する立場を明確に示した。 一方で、一部の者が在留シリア人内で対立を煽り、大使館に対する抗議行動を企図し、大使館の建物を占拠しようと呼びかける行為が見られることは極めて遺憾だ。これらの行動は、国家の自由、安定、繁栄への道を妨げ、国家の統一強化にも貢献しないものであり、受け入れ国の法律や外交関係に関するウィーン条約、さらには古くからのシリア社会の礼節にも反するもだ。 シリア・アラブ共和国大使館は、シリア国家機関および救国内閣の延長線上にあり、常にその扉と心は、受け入れ国の法と外交協定を尊重しながら、すべてのシリア人に開かれている。 シリアの平和と団結のために。 シリアよ永遠なれ!

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シリア大統領府のテレグラムの公式アカウント(https://t.me/SyrianPresidency/)は、16日に発表されたシリア出国にかかるアサド大統領の声明を削除した。

AFP, December 17, 2024、ANHA, December 17, 2024、‘Inab Baladi, December 17, 2024、Reuters, December 17, 2024、SANA, December 17, 2024、Sham FM, December 17, 2024、SOHR, December 17, 2024、al-Watan, December 17, 2024などをもとに作成。

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