アレッポ県サフィーラ町で激しい戦闘が発生し無秩序化、ダマスカス郊外県アシュラフィーヤト・サフナーヤー市でドゥルーズ派のシンボルを掲げた武装グループが無差別発砲(2025年6月2日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、内務省総合治安局のパトロール部隊が、バーリド村で指名手配者の自宅を強襲、捜索中にムルシド派の信仰に関係する写真を破棄、家財を破壊した。

これを受けて、ムルシド派の住民はスカイラビーヤ市を訪れ、宗派への冒涜に抗議する集会を行った。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市で内務省総合治安局の部隊が、前政権の協力者とされる商店主と口論の末に撃ち合いとなり、総合治安局の隊員1人を含む3人が死亡、多数が負傷した。

その後混乱は激化し、住宅複数棟が放火されるなど、無秩序状態に陥った。


また、シャルア移行期政権の内務省総合治安局とシリア国民軍所属の合同部隊がダイル・ハーフィル市に設置している共同検問所で、シリア民主軍の写真が保存されていたモバイルを携帯していたとして男性1人が逮捕された。

この男性は旅客バスでアレッポ市に向かっていた。

アレッポ県では、ANHAが不地元筋の話として伝えたところによると、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域内のブルブル町近郊のハラールカー村の住民が「トルコの傭兵」(シリア国民軍)の暴行を受けた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局がシュマイティーヤ町で、前政権の国防隊の司令官の1人ファイサル・サッターム・ファイヤード容疑者を、スバイハーン市でカーティルジー・インターナショナルの民兵の司令官の1人でロシアのワグナー社に協力し、民兵をリビアなどに派遣していたとされるウマル・バドル・ハーリド容疑者を逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市で、ダイル・ザウル県とダルアー県の出身者からなる武装グループが住民や内務省総合治安局の検問所に対して無差別に発砲、総合治安局の分所に突入を試みた。

武装グループはドゥルーズ派であることを示す宗教的シンボルを掲げた車を使用していたが、同市のドゥルーズ派住民は自分たちと武装グループは無関係だと強く主張している。

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ヒムス県では、SANAによると、ダルダー村、アーリヤート村、カシュフ村の住民が、治安当局に武器と弾薬を引き渡した。



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