シャルア移行期政権当局はアラウィー派への犯罪行為に対する苦情を受けヒムス県西部の検問所を閉鎖:シーア派の宗教指導者暗殺を受けヒムス県マズラア村で抗議デモ(2025年7月9日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区で武装した何者かが不動産事務所を襲撃し、若い男性1人を殺害した。

また、シリア人権監視団によると、ヤルムーク難民キャンプで、男性1人がオートバイに乗った正体不明の武装グループの銃撃を受けて、死亡した。犯人はオートバイに乗った正体不明の武装者で、事件はその背景とタイミングをめぐり大きな波紋を広げている。

男性は、前政権の治安機関と協力していたとして拘束されていたが、最近になって釈放されていた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の当局は、アラウィー派住民の殺害、誘拐、金銭的恐喝、みかじめ料の強要などに対する苦情が相次いでいた県西部の検問所(ハルカル検問所)を閉鎖した。

また、シリア人権監視団によると、県西部で、シーア派の宗教指導者である「ラスール・シャフード」師が暗殺された事件を受け、マズラア村で夜間に抗議デモが発生した。

このほか、シリア人権監視団によると、シリア人権監視団の活動家によれば、県北部のハウラ地方で正体不明の武装グループが前政権の治安機関幹部と近い関係にあった人物を自宅前で銃撃、負傷させた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヘルモン山(シャイフ山)に近いアルナ村で、ドゥルーズ派の若い男性が正体不明の武装グループによって射殺された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、東ガーリヤ町南部で、若い男性どうしの口論が発端となり銃撃戦が発生したことを受けて、内務治安司令部が夜間外出禁止令を発令した。

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ラッカ県では、ANHAによると、トルコ占領下の「平和の泉」の拠点都市タッル・アブヤド市内の病院で発生した撃ち合いで、シリア国民軍憲兵隊員1人が死亡し、さらに4人が負傷した。

シリア人権監視団によると、撃ち合いは、シリア国民軍憲兵隊とダイル・ザウル県出身者の間で発生、憲兵隊員1人が死亡、5人が負傷した。

死亡した憲兵隊員がダイル・ザウル県出身の女性に暴行したことが衝突の発端だった。

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