ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、フェイスブックを通じて声明を出し、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使が発表したスワイダー県をめぐる停戦合意について、以下の通り表明した。
保証国の仲介によって行われた交渉に基づき、以下の点について合意が成立した。
1. 治安部隊の展開:スワイダー県の行政境界外に(内務省)総合治安局の検問所を設置し、衝突の制御および武装集団の侵入防止を図る。
2. 県境の村々の管理:合意成立から48時間の間、いかなる勢力も県境の村々への進入も禁止される。これは先方の治安部隊の展開を円滑に行い、不意の攻撃を防ぐためである。
3. ベドウィンの部族の対応:県内に残る部族出身住民については、現地の武装勢力の保護のもと、安全かつ確実に退避することが認められる。他のいかなる勢力による妨害や攻撃も認められない。
4. 人道的退避ルートの確保:緊急および人道的ケースのための安全な退避ルートとして、以下の二つの通過地点を設ける。
・ブスル・ハリール市
・ブスラー・シャーム市
5. 地元グループの動きの制限:スワイダー県内の地元グループに対しては、県境外への移動を控え、いかなる挑発行為や戦闘的行動も回避するよう求める。
6. 合意違反への責任:本合意の枠組みを逸脱した行動については、それを行った当事者が単独で完全な責任を負う。
7. 若者への呼びかけ:我々は、土地と名誉を守る若者たちに対し、最大限の責任と高い調整能力をもって、平和な市民生活を脅かすこの苦境を終わらせるよう呼びかける。
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しかし、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部は、その約10時間後に発表した別の声明で、以下の通り停戦違反を非難した。
我々は先の声明に付け加え、以下のことを強く確認する。我々マアルーフィーヤ派(ドゥルーズ派のこと)は、これまで常に誓約と契約を守る者であり、この数日間は純粋に自衛の立場をとってきた。そして我々は和解への第一歩を踏み出した。しかし、遺憾なことに、相手側は停戦の合意を守らず、悪党は攻撃を続け、人類すべてが恥じるような非道な犯罪と違反行為を継続している。このため我々は、停戦合意を保証した国々に対して、その責任を果たし、義務を全うし、スワイダーにおけるドゥルーズ派住民に対するこのテロ攻撃と集団虐殺を即時に止めるよう、また、シリア国内のドゥルーズ派に対して直接的な国際保護を課すよう強く求める。我らにとって十分なのは、アッラーであり、最良の助け手である。
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尊厳の男たち運動は、フェイスブックを通じて声明を出し、アフマド・シャルア移行期政権の支援を受けた「テロ組織」が村や町を攻撃し、平和な市民を襲い、彼らの財産を焼き払い、世界の目の前で人権侵害を犯し続けていると非難した。
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