ダーイシュ(イスラーム国)は、機関紙『ナバア』第510号の社説で、アレッポ県バーブ市とイドリブ県アティマ村で米主導の有志連合がアフマド・シャルア移行期政権と連携して実施したダーイシュ幹部を標的とした攻撃を強く非難した。
ダーイシュは社説のなかで、アティマ村での攻撃を「前体制による化学兵器虐殺よりも醜悪」と表現、「ジャウラーニーの虐殺」と評して、シャルア暫定大統領を名指しで非難した。
また、こうした攻撃とシャルア移行期政権の台頭を結びつけ、同政権を「イスラームの敵」、「ジハード組織を弾圧するターグート(僭主)の延長線にいる」と断じた。
さらに、「西側はジハードの環境から生まれた武装派閥を利用して新たな独裁者を作り出した」、「ターグート製造の極み」と評した。
社説は、その一方、西側が「テロの製造」という言葉を利用し、巨額の予算やプログラムをもって、ジハードのイメージを歪めようとしたと批判、ダーイシュはこれに対して「正義のテロ」で応じ、その影響は複数の大陸に及んでいると主張した。
そのうえで、「有志連合はこれ(正義のテロ)を止められなかったため、ジハード主義を背景に持つ新たなターグートを製造し、ダーイシュに立ち向かわせている」と主張した。
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