
スウェーデンのキッズライツ財団は、公式サイトを通じて、トルコ在住のシリア人少女バナー・アブド(バナ・アルアベド)さん(15歳)の活動を称え2025年国際子ども平和賞を授与したと発表した。
バナーさんは、2010年代半ば、アサド政権の軍によるアレッポ市包囲のなか、同地からX(旧ツイッター)を通じて、爆撃、飢餓、不安といった惨状を発信続けたことで知られ、アレッポ市の包囲の解除を求めた「Stand with Aleppo」キャンペーンは世界的な注目を集め、フランスのエマニュエル・マクロン大統領らから称賛され、「アレッポの象徴」と呼ばれるようになった。
2016年12月にアサド政権がアレッポ市を陥落させると、バナーさんは、家族とともにトルコに避難、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談するなど、シリア難民のなかにあって異例の厚遇を受けていた。
ストックホルム市庁舎で行われた記念式典では、イエメン出身のノーベル平和賞受賞者で人権活動家のタワックル・カルマン氏がバナーさんに賞を授与した。
受賞は、バナーさんが取り組んできた 避難民児童らの家庭再統合、破壊された学校の再建、教育とアドボカシーを通じた希望の提供といった変革的な活動を称えるものである。
受賞したバナーさんは以下のように述べた。
平和は贅沢ではありません。世界は私たちの声を聞かなければなりません。
戦争と紛争によって、私たちの子ども時代は奪われました。
平和が必要です。戦争で苦しむ子どもたちへ——あなたは1人ではありません。
受賞により、バナーさんは、ンキスィ像、総額75,000ユーロの助成を手にした。

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