シリア民主軍のアブディー総司令官、北・東シリア地域民主自治局のアフマド渉外関係委員会共同議長がイラク・クルディスタン地域のドホーク市で開催された中東平和安全保障フォーラム(MEPS 2025)に出席(2025年11月19日)


ANHAによると、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、イラク・クルディスタン地域のドホーク市で開催された中東平和安全保障フォーラム(MEPS 2025)に出席し、演説を行った。

演説のなかで、アブディー総司令官は、3月10日合意がシリア分裂の試みを阻止し、内戦への滑り込みを防ぐうえで重要な転機となったと明かした。

そのうえで、現在進行中の対話段階が、相互不信、アレッポ市シャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区で続く危険な状況、トルコ占領地からの避難民の存在など多くの障害に直面していると述べた。

また、トルコに対して、「我々の軍事・行政・治安機関を脅威として見ないで欲しい。これらは平和と安全のための機関だ」と呼び掛けた。

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ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局のイルハーム・アフマド渉外関係委員会共同議長は、MEPS 2025の対話セッションに参加し、シリア危機の根源が「権力と武器に基づく思考様式」にあり、それがクルド人の周縁化と権利剥奪、さらには女性に対する差別の継続を引き起こしているとの見方を示し、「他者を受け入れる」新たな思考様式に変換しなければならないと強調した。

ANHAによると、アフマド共同議長はまた、3月10日合意の履行を妨げている障害がアフマド・シャルア移行期政権の側にあると批判した。

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ANHAによると、ドホークに到着したアブディー総司令官とアフマド共同議長は、クルディスタン民主党(KDP)のマスウード・バルザーニー党首と会談した。

会談には、シリア・クルド国民評議会のムハンマド・イスマーイール議長、北クルディスタン出身のクルド政治家ウスマーン・バイデミルも同席した。

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