ザイダル村での殺人事件に端を発するヒムス市内のアラウィー派居住地区へのバニー・ハーリド族の武装勢力による襲撃での物的被害は住宅19軒、商店21店、車輛29台、人的被害は死者2人、負傷者18人(2025年11月24日)


ヒムス県では、SANAによると、23日のザイダル村での殺人事件に端を発するヒムス市内のアラウィー派居住地区へのバニー・ハーリド族の武装勢力による襲撃について、県内務治安部隊は、ヒムス市の以下の地区での外出禁止令を午後5時まで延長すると発表した。

アッバースィーヤ地区、アルメニア人地区、ムハージリーン地区、ザフラー地区、ヌズハ地区、アクラマ地区、ナーズィヒーン地区、アシーラ地区、ザイダル地区、カラム・ザイトゥーン地区、カラム・ラウズ地区、ウルード地区、警察住宅地区。

その後、SANAによると、県内務治安部隊は、ヒムス市の南部地区における外出禁止令の解除を発表した。

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ヒムス県(フェイスブック)によると、県庁での緊急会議の内容を発表した。

会議では、ヒムス市の学校を休校すること、医療機関・救急隊の警戒態勢を引き上げること、市役所・自治体に、焼失・破損の清掃、道路整備、治安回復の作業を指示することなどが決定された。

襲撃による物的被害は、住宅19軒、商店21店、車輛29台。

人的被害は、ザイダル村で殺害された夫婦、襲撃による負傷者18人(ほとんどが流れ弾による負傷)。

SANAによると、ヒムス市議会は、ムハージリーン地区およびアルメニア地区で襲撃によって生じた残骸を清掃し、道路を修復・再整備する作業を開始すると発表した。

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内務省(フェイスブック)によると、県内務治安司令官のムルハフ・ナアサーン准将ら公式代表団がザイダル村の殺人事件の遺族を弔問した。

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内務省(フェイスブック)によると、ヌールッディーン・バーバー内務省報道官とヒムス県のムルハフ・ナアサーン内務治安司令官がヒムス市で記者会見を開き、バーバー報道官は、事件に関連して、ヒムス市の襲撃に参加した120人が拘束されたことを明らかにしたうえで、「国家は無秩序な武装の拡大を容認しない」、「武器管理は国家が担うべき」と強調した。

SANAによると、バーバー報道官は、「純粋な刑事犯罪で、宗派性を帯びた事件ではない」と改めて強調した。

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ヒムス県(フェイスブック)は、事件の目的は、県民どうしの不和と対立を煽ることであったなどとするアブドゥッラフマーン・アアマー・ヒムス県知事、県ムフティーのサハル・ジュヌイド師のビデオ声明を掲載した。

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