シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会は、フェイスブックを通じて、ガザール・ガザール議長のビデオ声明を発信し、23日のザイダル村での殺人事件に端を発するヒムス市内のアラウィー派居住地区へのバニー・ハーリド族の武装勢力による襲撃への対応を表明した。
ガザール議長は、「シリアは宗派的な粛清の場と化している」としたうえで、「アラウィー派は宗派的帰属に重きを置いてこなかった」、「スンナ派でもクルド人でもドゥルーズ派でも、どの構成要素が国を統治しても構わない」などと主張、アフマド・シャルア移行期政権が「スンナ派を政治的道具」として利用している」と非難した。
そのうえで、25日にアラウィー派が居住するラタキア県、タルトゥース県、ヒムス市、ハマー県農村地帯、ダマスカス県で抗議デモを行い、連邦制および分権化、民族浄化・殺害・誘拐・拉致・奴隷化の停止、拘束されている者たちの釈放、記録・撮影の徹底を求めるよう呼び掛けた。
また、シリア社会を構成するすべての宗派・エスニック集団、とりわけスワイダー県とシリア北東部の住民に対して、アラウィー派に寄り添い、真実の声を届けるために支援するよう呼びかけた。
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シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会はまた、フェイスブックによると、ガザール議長のビデオ声明の内容に誤りがあったとして、議長直筆の声明文を改めて発表した。
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