シャルク・アウサト(10月6日付)は、フランスが欧米諸国に対して、アサド政権の正統性を認める四つの条件を示した文書を回付したと伝えた。
文書の回付は、制憲委員会(憲法委員会)の設置を受けたもので、同紙によると、そこには、2020年に予定されている第3期人民議会選挙、そして2021年の大統領選挙の結果を受け入れるための以下四つの条件が示されているという。
1. 選挙の実施前、実施中、そして実施後に、安全且つ中立的な空気と環境を準備するため、選挙が行われる現場で信頼醸成のための措置を講じること。これによって、充分な治安状況が整い、当事者の権利が完全に保障され、選挙プロセスが信頼を得ることができる。また、停戦や逮捕者釈放も、こうした信頼醸成の措置に含まれる。
2. 難民、国内避難民(IDPs)が投票場に足を運び、投票に参加することを保障すること。また、そのための意識向上キャンペーンが行われること。
3.多元主義に基づく投票が実施されるのにふさわしい法制度が保障されること。とりわけ、12万人に達する難民、IDPsがいるなかで、すべてのシリア人に投票、あるいは立候補できるようにすること。
4. 国連機関が選挙監視を行い、選挙プロセスの中立性を確保すること。具体的には、あらゆる操作を阻止し、選挙準備を万全なものとし、選挙の全プロセスを国連が完全且つ包括的に監視すること。
AFP, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、al-Sharq al-Awsat, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。
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