ロシア軍がシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るカフルナブル市一帯(イドリブ県)を爆撃(2019年10月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るカフルナブル市一帯を3度にわたり爆撃した。

死傷者はなかった。

また、シリア軍地上部隊がヒーシュ村一帯、タッフ村、マアッラト・スィーン村、マアッラト・ハルマ村一帯を砲撃した。

一方、サルキーン市では、何者かが仕掛けた爆弾が爆発し、シャーム解放機構のメンバー1人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がトルコマン山のズィヤーラ丘一帯でシリア軍部隊を攻撃、兵士3人を殺害した。

これに対し、シリア軍ヘリコプターがシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にあるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊も同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がザンマール町、ジャズラーヤー村、放棄された大隊基地一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、HFL(10月11日付)によると、インヒル市とジャースィム市を結ぶ街道に仕掛けられていた爆弾が爆発し、ロシア軍憲兵隊兵士1人とシリア軍兵士2人が負傷した。

また、ノールス研究センター(10月11日付)によると、シリア軍の第4師団所属部隊が、タファス市、とダルアー市を結ぶ街道で要撃を受け、兵士3人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県10件、ラタキア県7件、アレッポ県7件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を32件(イドリブ県17件、ラタキア県4件、アレッポ県7件、ハマー県3件)確認した。

AFP, October 11, 2019、ANHA, October 11, 2019、AP, October 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 11, 2019、HFL, October 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 11, 2019、Nors for Studies, October 11, 2019、Reuters, October 11, 2019、SANA, October 11, 2019、SOHR, October 11, 2019、UPI, October 11, 2019などをもとに作成。

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