シリア北東部へのシリア軍の展開と米英仏軍の撤退は続く、YPGのドイツ人戦闘員が死亡(2019年10月22日)

トルコ軍が反体制武装集団の国民軍とともに開始したシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦は13日目に入り、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ県タッル・アブヤド市からハサカ県ラアス・アイン市にいたる地域からの撤退を続ける一方、シリア軍が北・東シリア自治局支配地域への展開を続けた。

トルコ軍、国民軍とシリア民主軍、シリア軍の戦闘は小康状態が続いた。

SANA(10月22日付)によると、シリア軍部隊は、ハサカ県北西部のクーズリーヤ・シュワイシュ村、ヌーファリーヤ村、マハッル村、バドラーン村、フザーム村、カフファ・マラーティー村、ドゥバイブ村、シュワイシュ村、アルカーナ村、ウンム・ラバン村、ワースィタ村に新たに展開した。

シリア人権監視団によると、「平和の泉」作戦が開始されて以降の死者数は、シリア民主軍戦闘員が275人、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員が196人、トルコ軍兵士が10人。

また、民間人120人が死亡、30万人が戦闘地域から避難したという。

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ハサカ県では、SANA(10月22日付)によると、ダイリーク(マーリキーヤ)市近郊のルハイバ村の航空基地に駐留していた米軍、英軍、フランス軍がスィーマルカー国境通行所を経由してイラク領内に撤退した。

また、ヒルバト・アンダーン村に駐留していた米軍とフランス軍の兵士約30人もこれに先立ち、イラク領内に撤退した。

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ユーフラテス・ポスト(10月22日付)によると、人民防衛隊(YPG)に参加していた「ヘヴァル・アンドーク」(Heval Andok)を名乗るドイツ人戦闘員が、ハサカ県ラアス・アイン市一帯でのトルコ軍との戦闘で死亡した。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Euphrates Post, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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