アル=カーイダ系組織を主体とする反体制派がイドリブ県、ラタキア県でシリア軍と激しく交戦、シリア軍兵士20人以上、反体制武装集団戦闘員10人が死亡(2020年1月2日)

イドリブ県では、SANA(1月2日付)によると、反体制武装集団(新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室、シャーム解放機構、国民解放戦線など)が昨年末にシリア軍によって制圧されたタッフ村、ジャルジャナーズ町への侵攻を試みたが、シリア軍地上部隊がこれを撃退した。

シリア人権監視団によると、この戦闘でシリア政府と反体制武装集団の支配地域に変化はなかったが、シリア軍兵士18人、反体制武装集団の戦闘員10人が死亡した。

また同監視団によると、シリア軍地上部隊はマアッラト・ヌウマーン市を砲撃し、住民1人が死亡した。

シリア軍はまた、ビダーマー町、ムアスラーン村、バービーラー村を砲撃した。

ロシア軍戦闘機もバーブーリーン村を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がクルド山地方のマリク丘一帯に潜入、シリア軍兵士4人を殺害した。

また同地一帯での戦闘で、シリア軍兵士2人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町近郊の街道でオートバイに乗った覆面姿の男性1人がシリア軍部隊に発砲、兵士1人を殺害した。

また、HFL(1月2日付)によると、ムサイカ村の村庁舎が何者かによって放火され、全焼した。

放火犯と思われるグループは、アサド大統領の写真を破り、村の学校の壁に政権を批判する落書きをしたという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(イドリブ県5件、ラタキア県6件、アレッポ県5件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県6件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県4件)確認した。

AFP, January 2, 2020、ANHA, January 2, 2020、AP, January 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2020、HFL, January 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 2, 2020、Reuters, January 2, 2020、SANA, January 2, 2020、SOHR, January 2, 2020、UPI, January 2, 2020などをもとに作成。

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