スワイダー市、アレッポ市でシーザー・シリア市民保護法案の発動や物価高騰に抗議するデモ(2020年6月10日)

スワイダー県では、SANA(6月10日付)によると、スワイダー市の県知事公邸前で、シーザー・シリア市民保護法案の発動(6月17日)に反対する抗議デモが行われ、多くの住民らが参加した。

デモには、ハマーム・ディブヤーン県知事、バアス党スワイダー支部のハウザート・シュカイル書記長、スルターン・バーシャー・アトラシュの子孫のジャワード・アトラシュ退役准将らが演説、参加者はシリア国旗やアサド大統領の写真などを掲揚し、米国による一方的な制裁を「経済戦争」に対抗し、これに耐え抜く意思を示した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)やシリア人権監視団によると、ムハーバラートや民兵が10日早朝から、前日まで抗議デモが行われていた県知事公邸前などに展開し、デモの再発を阻止する一方、政府が公務員や学生を動員し、政府を支持するデモを組織したという。

一方、シリア人権監視団によると、スワイダー市のファハール広場では、アサド政権の退陣と体制打倒を訴えるデモが行われ、数十人が参加した。

スワイダー市で反体制デモが行われるのは4日連続。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月10日付)によると、アレッポ市のジュマイリーヤ地区の中心街のモスク近くで、物価高騰に伴う生活難を訴えるデモが行われた。

デモ参加者は、「屈辱ではなく死を」、「飢餓に反対、貧困に反対、失業に反対」、「汚職との戦い支持」などと訴えて、サアドッラー・ジャービリー広場に向かって行進した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市で若者数人が10日晩に「シリア革命」の継続を訴えるデモを敢行し、シリア・リラ下落の責任はアサド政権にあると非難した。

AFP, June 10, 2020、ANHA, June 10, 2020、AP, June 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2020、Reuters, June 10, 2020、SANA, June 10, 2020、SOHR, June 10, 2020、UPI, June 10, 2020などをもとに作成。

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