ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊に位置するシャルカラーク村の穀物サイロで、ロシア軍士官とトルコ軍士官が会合を開き、同地で激化するトルコ軍の攻撃への対応について協議した。
スプートニク・ニュース(12月22日付)によると、この会談で、トルコ側は、シリア民主軍のアイン・イーサー市一帯の地域からの完全撤退を攻撃中止の条件として、ロシア側に提示したという。
これに対して、ロシアとシリア政府はシリア民主軍に対して、同地をシリア政府に引き渡し、撤退するよう求めているという。
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しかし、ANHA(12月21日付)によると、この会談の数時間後、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、アイン・イーサー市近郊のワースィタ村、ムシャイリファ村、M4高速道路沿線を砲撃、シリア軍がこれに迎撃し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。
AFP, December 21, 2020、ANHA, December 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 21, 2020、Reuters, December 21, 2020、SANA, December 21, 2020、SOHR, December 21, 2020、Sputnik News, December 22, 2020などをもとに作成。
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